ゴリラがひとになるまで

世界一デカい教員を目指して。専門的な話はhttp://gori2ya.com/

上手いよりも一生懸命

昨日は参観。

3学期はあっという間に流れていく。

 

一応、目的は子どもが親に感謝を伝える会として設定されている。

(個人的には「感謝の気持ちを持ちなさい」と指導するのはナンセンスだと思う。)

 

私はとにかく各子どもが自分の殻を破る必要があると思った。どれだけこの6年間で変わったか、明確にすべきだと思った。もしくは今年1年間でどれだけかわったかを示すべきだと思った。

 

人は上手な発表よりも一生懸命な発表に心を打たれるみたいだ。それは日本のアイドルや今のネット配信などのムーブメントをみれば仮定できる。必ずしもそうとは限らないが少なくとも日本人はその傾向が強いと言える。

 

会自体の目的からはずらしてしまうが、私は子どもをブレイクスルー(自分崩し)させることを今回の目的とした。

 

会では3つの部門、体育、劇、音楽に分かれ、学年の子どもがやりたいものを一つ選ぶ。それぞれ1〜2名の教員が担当した。

私は劇担当である。

 

具体的な指導の流れは

①グルーピング

②台本作り

③演技

である。

 

グルーピングについて

各学年がバラバラになっているので同じクラスの子ども同士で固まっているが、やはりこれは違うクラスの子同士で組ませる方がいい。

・身内にウケるだけに終始しない

・活動に緊張感が生まれる

・新たな人間関係の構築

 

初めはかなり抵抗のある子もいる。しかし、同じ活動をするにあたって次第にぎこちなさは解消されていく。子どもの順応性の高さを感じる。

小学生時分にどれほど新しい人と会話ができるか、私は重要だと思う。

 

台本作りについて

小学校の思い出を振り返るものにした。

修学旅行やったり、林間学校やったり、

あるいは学校で行われた百人一首大会やったり

 

まぁ言うてしまえば台本は適当でいい。ただ最低限流れをつくる。ショートコント風に

例)百人一首大会

百人一首大会説明「セリフ」

②読み手が何言ってるかわからない

③取り手がつっこむ

④やる気のある少年が勝ち宣言

⑤何人かと取り合う

⑥オチ)やる気のある少年は最後まで取れずに終わる

 

セリフは演技をしながら決めればいいと思った。

 

指導するポイントは、

・台本はある1場面のできごとを見せること。

・小道具を使うこと。

・まじめにやらないこと。

・自分たちで工夫すること。

・笑いがベースであること。

 

初め子どもからはなかなかアイデアが出てこない。ある点まで教師が口を出すと、そのある点を超えたところから子どもがどんどん新しいアイデアを出し始める。助言は積極的にすべき。但しクリティカルな助言に限る。

 

教師の助言は青

子どもの工夫は赤

 

一つ歌を歌うグループがあった。踊りと歌で初めから完成度は高かった。

しかし、演技を繰り返していく内に観客、本人たちが物足りなさを感じていった。

「歌を2回繰り返しなさい」

短めの歌だったので繰り返しがあった方が客が落ちると判断した。

「1.2.3.4を繰り返しのきっかけにしよう」

実演。

かなり面白い。

しかし、見てる側からすると全員が動いているので見栄えが悪い。

「真ん中二人は止まりなさい」

演技にメリハリが生まれた。

「最後はミュージカル風に『母さん今までありがとう』って言ってみよう」

「6人いるから『母さん今までありがとう』を2人ずつ連続して言ってみよう」

「帽子を被って歌とダンスの前に放り投げよう」

溢れるように子どもからアイデアが出てくる。

本番2日前に見る側も慣れてきてしまい物足りなさを感じてしまった。

「音が寂しい。リズムつけられないかな」

「バスケットボールをドリブルしたらリズムをつけられる」

このグループにはバスケの巧者がいて、その二人が結局歌の時に激しくドリブルをついた。

これがまた素晴らしい演出になった。

 

初めは教師の助言が多いのだが、次第に子どもからアイデアが湧いてくるようになる。

もちろんこれまでの積み重ねがあり、アイデアを出す訓練を積んだ育った子どもであり、全員ができるわけではない。

 

やりきった子どもの顔は満足そうだった。一番初めに終わったグループははじめあまり積極的ではなかった。

しかし、自分たちが考えていく中でアイデアがどんどん出てくるようになり楽しくなっていったようだった。

最終的には休み時間にもその子たちは練習や話し合いをして、本番も非常にウケた。

後のグループを心配し、その発表を見て大声で笑っていた。

 

8割の子どもはやり切ることができたと思う。劇はどのチームも面白かった。客観的に見ても

 

大勢の人を前にまじめにふざけられた子たちはまた他の機会でも力を発揮できるだろう。

 

 

子どもの伸びを感じることができた会になった。卒業式まであと少しか〜。やり切ろう。来週はまたアホな企画を考えているので楽しみです。

 

 

 

 

関係ないのですが、

他のクラスと今合同で算数をやっているのですが、一人の子に机間指導をたっぷりします。私は大体一人4秒。初任の時に読んだ本に書いてあって、それが子どもとの関わりのベースにもなってるんかな。行動が自分をつくってる。