ドッジボールの指導。
アマチュアの教師は、前半適当にボールを扱わせて最後にドッジボールをさせて終わりというパターンが多い。
プロ失格である。
ドッジボールに必要な技能は3+a。
(1)当てる
(2)避ける
(3)取る
(a)ルールを考える
強くボールが投げられる子が活躍するドッジボールは戦略的ではない。
では戦略的にドッジボールをするために必要な技術を先述べた3±aに基づいて具体的に説明する。
(1)当てるについて
「当てる」
ドッジボールの「当てる」は、
「動いている対象にボールを当てる」
ことである。
的当てでは意味がない。
※ゲームに繋がる運動をする際は、一つひとつの技能を抽出する必要がある。
つまり、動いている対象にボールを当てるだけの運動が必要になる。これをゲームだけでは習得できる子どもは運動が得意な子に限定されるだろう。
運動の方法は自分で考えるべし。
(2)「避ける」について
ドッジボールの学習では「さける」と読む。
「よける」と「さける」の違いは、上リンクから読んで理解していただきたい。
ドッジボールの学習では、飛んできたボールに瞬発力を活かして逃げるではなく、ボールの位置を把握して自分の位置を変える必要がある。
つまり、状況を把握して自分の居場所を決定する技能である。
うまくかわすことではない。
例えるならば、
電車に乗っていてあなたの前に不審な男がやってきたとしよう。
「さける」は、その不審な男の気配を察知して違う車両に乗り換えることである。
それに対し、
「よける」は、不審な男が振り下ろしてきたナイフを白刃取りするようなものである。
大切なのは事前に察知することである。
この技能もゲームの中で習得できる子はわずかであり、抽出する必要がある。全ての運動に言える。
(3)「取る」について
ボールを取るにあたって必要な技術はなんだろうか。
実は(2)の技能と近い。(2)の技能にプラスして、体の向きを変える必要がある。
(3)の技能が不足しているとどのような状態に陥るか説明すると、ボールに背中を向けたまま逃げることになる。
ドッジボールが苦手な子に多い。「背中を向けるな」と指示してもできない。
「取る」ことができなくても、体の向きを変えることができればゲームに参加することができるようになる。
相手のボールの動きをコントロールすることもできるようになる。
活動例は、図のように外野を
8人(図は4人)
内野を8人程度に設定する。
外野はボールを回す。
内野はコート内でボールが一番遠くになるように動く。
全員ができるようになるまで繰り返す。
(2)(3)の技能を習得する上で効果的な練習である。
3年生までにドッジボールを通して、先に述べた3つの技能習得を目指す。+aについては、これだけで1つの記事になるので割愛する。
ひとつのことをいかに具体的にできるか、より具体であればあるほど良い。ゲームをして終わりで満足してならない。
技能に特化した練習のみだと面白くない。
実際の授業は、
①ラジオ体操
②ボール遊びa
③ボール遊びb
(15分)
④目当ての確認
⑤運動技能習得のための運動(当記事)
(15分)
⑥ゲーム
(8分)
⑦ふりかえり
(7分)
15分×3セットで授業を組み立てる。
力のつく授業を目指して。